戸台川赤河原付近より、仙丈ヶ岳を望む。             

この後、戸台を経て三峰川へと向かい、           

ほぼ一週間に及ぶ山旅は完了した。           

この前後に連続した山行が、比較的厳しいものであった為、            

記憶の中ではやや重みを失いかけていた、この単独行も、           

忘れられていた諸形象が、こうして蘇えることで、

その代替不可能な固有の「意味」を取り戻す。          

それは安定というものが、調和した中庸性において保つ、揺るぎなき価値、           

さりげなく総体へと行きわたり、維持し続ける、           

不断の創造の力、なのだろう。