1987年5月下旬、早朝、穴山駅に降り立つ。
下円井集落を抜け、山中の隘路を辿り、小武川屈曲部へ出る。 途上、人家周辺にて多くのニホンザルを目撃する。小武川林道を進み、 御座石鉱泉から地蔵岳登山道に入り、午後遅く山頂直下の野営地に到着。 翌朝、鳳凰山主稜線を目指しダケカンバの急斜面を登るものの、 重労働の連続故か、途中で早々に体調不良をきたし、一時休憩を余儀なくされる。 これが長年に及ぶ登山体験の中で初めての、そして唯一の、肉体的変調となった。 体調は直ぐに回復し登山再開、地蔵岳で甲斐駒ヶ岳を展望する。 こうして晩春の安定した天候の下、南アルプスの巨峰たちと向き合う、 晴れやかで心地良い、山の旅が始まった。 |
|||||