午後になるとようやく風も弱まり始め、仙丈の稜線も姿を現わした為、 

山頂に向かって登攀を開始する。 

森林限界付近では、未だ突風が吹き抜けており、 

舞い上がった雪煙が、中空で激しく渦巻いていた。