夕刻、第一高点に陽が沈む。

 

 

無限に続く分岐の果て、私たちは出現し、外縁部へと放擲された。

中心から疎隔された、辺境の地へ。知と感受の萌芽を宿したまま。

異なる様の極まった、例外性。生けるものの中でも、最も無様で弱いもの。 

故に抗い、力をふるった。規準を換えて、正負を換え、異邦を故郷と住み換えた。 

周りを貧しき素材で囲み、彼方の光を遮断した。 

こうして錯誤は巷に溢れ、 しかし旅路の全行程は、依然としてそこにある。 

高き峰は決然と、進む先を指し示し、海は帰り着いた多くの命を、深みに湛え青く輝く。 

それらを捉えられるのは、ただ私たちの知覚のみ。閉じた扉を開け放て。閾を超えて、歩を進めよ。 

そこには無限の富があり、億万の形象が光輝く。恍惚の内にそれを辿れば、いずれ知る。 

己が生きる、その根底を。そこから来た、始原の在処を。   

   

そしておまえは仄かに輝き始め、知と徳と世界とは、ようやく一つになろうとする。 

このみすぼらしい四阿の立つ、異邦の地の片隅で。