午後、太陽は南西から射し込み、

  奈落の底から湧き上がる、雲の群れを照らし出す。

 

  この情景を前にしては、人は踏み出すしかない。

  虚空を浮遊するものとなり、

  輝く淡き絨毯を歩む。

  そこにある、甲斐駒ヶ岳へと。