夜間に強風と降雪があり、それが静まり切らぬうちに、日が昇った。

黒戸尾根と地蔵岳支稜の間から、雲の塊りが吹き出され、空間に粉雪が舞い散る。 

そこに東から陽の光が射し込み、諸力の奔騰が亢進する。