甲斐駒ヶ岳主稜線上北西部、三ツ頭から北へ派生し、
烏帽子岳、大岩山、鞍掛山駒岩、日向山へと続く山稜は、
かつては甲斐駒信仰における一登山路として歩かれていたものだが、
その営みが途絶えて既に久しく、日向山から鞍掛山までは登山道未整備の為、
ルートファインディングには多大な困難が伴い、また大岩山から烏帽子岳までの間では山道はほぼ完全に消滅していた。
初めてこの山域に入った86年6月には、北面の暗い谷間で道に迷いながらも日向山から鞍掛山駒岩までのルートを確認し、
また同年10月には大岩山まで歩を進めることが出来ていた。
そして12月下旬、この山々の冬の姿を捉えるべく、早朝、長坂駅に降り立ち、白州、そして日向山林道へと進んだ。
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