この長大なルートを積雪期に辿るのは初めての為、より強い緊張感が心身を引き締める。
五合目に一泊して、翌日、曇天下を、山頂目指して進む。
午後も遅くなって、ようやく頂上に到着した時には、辺りは霧で完全に閉ざされていた。
岩陰にテントを設営し、待機状態に入る。
こうして山頂での、たった一人の生活が始まった。
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